【2025最新】SHURE SM7B徹底レビュー|配信者が選ぶ“本格ダイナミックマイク”の決定版

配信を始めて数ヶ月。視聴者から「音が聞き取りにくい」というコメントが来るたび、心が沈む。エアコンの音や周りの生活音が入り込んで、肝心の自分の声がクリアに伝わらない。高価なコンデンサーマイクを買ったのに、かえって環境音を拾いすぎてしまう。
「もっと良い機材を買えば解決するのか」と思いながらも、これ以上失敗したくない。そんな葛藤を抱えている方は、少なくないはずです。
配信の音質は、視聴者の滞在時間に直結します。どれだけ面白いトークや企画を用意しても、音が悪ければ見てもらえない。これは厳しい現実です。
この記事では、プロの音楽制作現場から配信者まで圧倒的な支持を集めるSHURE SM7Bについて、実際の使用感や向き不向き、導入時の注意点まで詳しく解説していきます。
筆者自身、複数のマイクを試した末にSM7Bに辿り着き、音質の悩みから解放された経験があります。この記事を読めば、あなたにとってSM7Bが最適な選択肢なのかどうかが明確になるはずです。
なぜプロも配信者もSM7Bを選ぶのか
音質にこだわる人たちが最終的に行き着くマイク。それがSHURE SM7Bです。
マイケル・ジャクソンの名盤「スリラー」のレコーディングで使用されたことで伝説となったこのマイクは、40年以上経った今も、音楽制作の現場で第一線を走り続けています。
近年では、ポッドキャストやYouTube、ゲーム配信の世界でも圧倒的な人気を誇り、海外の有名配信者たちがこぞって使用していることでも知られています。
なぜこれほどまでに支持されるのか。その理由は、SM7Bが持つ「音だけを純粋に届ける」という設計思想にあります。
一般的なコンデンサーマイクは感度が高く、繊細な音まで拾えます。しかしそれは、エアコンの駆動音やキーボードのタイピング音、部屋の反響まで拾ってしまうことを意味します。
特に防音環境が整っていない自宅での配信では、これが致命的な問題になります。どれだけ高価なコンデンサーマイクを買っても、環境音が混ざり込んで視聴者にストレスを与えてしまう。
SM7Bはダイナミックマイクという種類のマイクで、狙った音だけを的確に拾う設計になっています。単一指向性という特性により、マイクの正面からの音に集中し、周囲の雑音を自然にカットしてくれます。
さらに、パソコンのモニターやスタジオ機器から発生する「ブーン」というハムノイズを除去する機能も搭載。配信環境で問題になりがちなノイズに対して、マイク自体が対策を施してくれるのです。
つまりSM7Bは、「不完全な環境でも、声だけをクリアに届ける」ことに特化したマイクなのです。
SM7Bの音質が選ばれる本当の理由
「ダイナミックマイクは音がこもる」という先入観を持っている方もいるかもしれません。確かに一般的なダイナミックマイクは、コンデンサーマイクに比べて高域の伸びが物足りないことがあります。
しかしSM7Bは、そうした従来のダイナミックマイクの弱点を克服しています。
低域寄りの温かみのある音質が特徴でありながら、中域から高域までしっかりと収音できる周波数特性を持っています。この「温かみ」こそが、SM7Bサウンドと呼ばれる独特の魅力なのです。
ボソボソと小声で話す人の声にも自然なハリが生まれ、逆に声量のある人が大きな声を出しても音が割れにくい。このバランスの良さが、あらゆるタイプの声質にマッチする理由です。
背面には低域ロールオフとプレゼンスブーストという2つのスイッチが搭載されており、自分の声質や好みに合わせて音の特性を調整できます。女性の声なら低域をカットしてクリアさを出したり、男性の声なら中域を強調してパワフルな印象を作ったりと、細かい調整が可能です。
また、SM7Bは内蔵ポップフィルターの性能が非常に高く、別途ポップガードを用意する必要がありません。マイクに近づいて話しても、破裂音やリップノイズがほとんど入らないため、セッティングがシンプルになります。
実際に使用した多くの配信者が「編集でノイズ除去する必要がなくなった」と語っています。収録した音声がそのまま使える品質というのは、配信や動画制作の効率を大きく向上させる要因になります。
【正直レビュー】SM7Bのメリットとデメリット
良い面ばかりを語っても、実際に使う上での課題が見えてきません。ここでは、SM7Bのメリットとデメリットを包み隠さずお伝えします。
SM7Bのメリット
環境音を驚くほど拾わない
コンデンサーマイクから乗り換えた人が最初に驚くのがこの点です。エアコンの音、キーボードのタイピング音、部屋の反響。これらがほとんど入り込まず、声だけが浮き上がるように録音できます。
防音室がない自宅環境でも、プロレベルの音質を実現できるのは大きな強みです。
クセの少ない素直な音質
過度なEQ処理を施さなくても、そのまま使える音で録れます。後から編集で音を整える手間が減り、配信や動画制作の効率が上がります。
また、どんなジャンルのコンテンツにも対応できる汎用性の高さも魅力です。ゲーム実況、トーク配信、歌ってみた、ポッドキャスト、ナレーション。あらゆる用途に適応します。
圧倒的な耐久性と信頼性
SHUREの製品は頑丈さで定評があります。SM7Bも例外ではなく、長期間の使用に耐える堅牢な作りです。
一度購入すれば、何年も安心して使い続けられるため、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れています。
プロ仕様の見た目
黒く重厚感のあるデザインは、配信画面に映り込んだときに高級感があります。視聴者に「この配信者は本気で取り組んでいる」という印象を与える効果も期待できます。
SM7Bのデメリット
ゲインが低く、高性能なオーディオインターフェースが必要
これがSM7B最大の注意点です。マイクの感度が低いため、音量を稼ぐには高ゲインのオーディオインターフェースか、別途マイクプリアンプが必要になります。
SHURE公式も、ゲイン60dB以上のオーディオインターフェースを推奨しています。これを満たさない機種では、音量が小さく使いにくいと感じる可能性があります。
初期投資がかさむ
マイク本体が約6万円。さらにXLRケーブルとオーディオインターフェースが別途必要です。合計すると10万円前後の投資になることを覚悟しておく必要があります。
重量があり、マイクアームが必要
約770gという重量は、安価なマイクアームでは支えきれない可能性があります。しっかりしたマイクアームの購入も視野に入れる必要があります。
USBで接続できない
XLR接続のみなので、パソコンに直接つなぐことはできません。必ずオーディオインターフェースを経由する必要があります。
Before → After:SM7B導入で変わった配信環境
実際にSM7Bを導入した配信者の変化を見てみましょう。
導入前の悩み
配信を始めて半年。視聴者数は徐々に増えてきたものの、コメント欄に「音が聞き取りにくい」という声がちらほら。
使っていたのは1万円台のUSBコンデンサーマイク。確かに音は拾えるけれど、エアコンの音やキーボードのタイピング音が混ざり込んでしまう。ノイズゲート機能を使っても、声と一緒にノイズが入ってくる。
「もっと高価なマイクを買えば解決するのでは」と考えて、3万円のコンデンサーマイクに買い替えたものの、状況は改善されず。むしろ感度が高すぎて、さらに環境音を拾うようになってしまった。
防音室を作る予算も場所もない。このまま配信を続けるべきか、悩む日々が続いた。
SM7B導入後の変化
思い切ってSM7Bとオーディオインターフェースを購入。初期投資は痛かったものの、初めて音を出した瞬間、「これだ」と確信した。
エアコンをつけたままでも、キーボードを叩きながらでも、声だけがクリアに録れる。視聴者からも「音がめちゃくちゃ良くなった」「聞きやすくなった」というコメントが相次いだ。
編集時のノイズ除去作業がほぼ不要になり、配信や動画制作の効率が格段に向上。音質への不安がなくなったことで、コンテンツの内容に集中できるようになった。
半年後には、視聴者からの信頼も高まり、平均視聴時間が1.5倍に伸びた。音質が視聴体験に与える影響を、身をもって実感した。
SM7Bと競合マイクの比較
マイク選びで迷っている方のために、他の人気マイクとの比較も見ておきましょう。
SHURE MV7との比較
MV7は、SM7Bの弟分とも言える製品です。USB接続とXLR接続の両方に対応しており、初心者にも扱いやすい設計になっています。
価格も約3万円とSM7Bの半額で、オーディオインターフェースなしでも使えるため、初期投資を抑えたい方には魅力的です。
ただし音質面では、SM7Bのほうが明らかに低音域が豊かで、立体感があります。特に低音ボイスの方や、本格的な音質を求める方には、SM7Bの方が満足度が高いでしょう。
予算と音質のどちらを優先するかで選択が変わってきます。
コンデンサーマイクとの比較
Neumann TLM103やAudio-Technica AT4040といった人気コンデンサーマイクとSM7Bを比較すると、音の繊細さではコンデンサーマイクが上回ります。
しかし、防音環境が整っていない自宅では、その繊細さがむしろ仇になります。部屋の反響やルームトーンが強く入り込み、後処理に時間がかかってしまうのです。
SM7Bは、完璧な環境がなくても良質な音で録れるという点で、自宅配信やホームスタジオに適しています。
SENNHEISER e935との比較
e935はライブ向けのダイナミックマイクとして人気ですが、音の特性がかなり作り込まれており、中高域が強調されたドンシャリサウンドです。
SM7Bのほうがフラットで素直な音質なので、後からEQで調整する余地が大きく、汎用性が高いと言えます。
SM7Bをおすすめできる人、できない人
こんな人にSM7Bは最適
配信や動画制作を本気で取り組みたい人
趣味ではなく、長期的にコンテンツ制作を続けていく覚悟がある方。初期投資はかかりますが、一度購入すれば何年も使い続けられ、音質の悩みから解放されます。
防音環境が整っていない自宅で配信する人
エアコンの音や生活音が気になる環境でも、SM7Bならクリアな音声を収録できます。これはコンデンサーマイクでは実現が難しい大きなメリットです。
低音ボイス、または声に温かみを持たせたい人
SM7Bの音質は低域寄りで温かみがあります。特に男性の声や、落ち着いたトーンのコンテンツに適しています。
ゲーム実況やトーク配信がメインの人
声だけをしっかり届けたい用途では、SM7Bの性能が最大限に活かされます。
こんな人にはSM7Bは向かない
予算が限られている初心者
10万円前後の初期投資ができない場合は、まずMV7やUSBコンデンサーマイクで経験を積むのがおすすめです。
すでに高性能な防音環境を持っている人
防音室やブースが完備されているなら、コンデンサーマイクの繊細さを活かせます。SM7Bの環境音遮断能力は、そうした環境では過剰かもしれません。
歌メインでハイトーンを多用する人
クラシックやオペラのような高音域重視のジャンルでは、コンデンサーマイクのほうが適している場合があります。
機材のセッティングが苦手な人
XLR接続やオーディオインターフェースの設定に抵抗がある方は、USB接続のマイクのほうがストレスなく使えます。
SM7B購入時の注意点とセットアップ
SM7Bを購入する前に、必ず確認しておきたいポイントをまとめます。
必要な周辺機器
オーディオインターフェース
ゲイン60dB以上を確保できる機種を選びましょう。人気の選択肢としては、YAMAHA AG03mk2、RME Babyface Pro FS、Elgato Wave XLRなどがあります。
予算を抑えたい場合でも、最低限AG03クラスのものは用意しておきたいところです。
XLRケーブル
高品質なXLRケーブルを選ぶことで、ノイズを最小限に抑えられます。ケーブルの長さは、デスク環境に合わせて3m前後がおすすめです。
マイクアーム
SM7Bの重量に耐えられる、しっかりしたマイクアームが必要です。Elgato Wave Mic Arm LPやBlue Compassなど、耐荷重に余裕のあるものを選びましょう。
セッティングのコツ
適性距離は8〜15cm
マイクの先端から8〜15cm程度の距離で使うと、最もバランスの良い音質が得られます。近すぎると低音がこもり、遠すぎると音量が不足します。
角度調整
単一指向性なので、マイクの正面に口がくるように角度を調整しましょう。カーディオイドの指向性パターンが本体に印字されているので、参考にしてください。
背面スイッチの活用
最初はスイッチをすべてオフにして録音し、自分の声を聞いてから調整するのがおすすめです。低音が気になる場合はローカット、声にハリが欲しい場合はプレゼンスブーストを試してみましょう。
まとめ:音質の悩みを終わらせる最終回答
配信や動画制作を続けていく上で、音質は避けて通れない要素です。どれだけ面白いコンテンツでも、音が悪ければ視聴者は離れていきます。
SHURE SM7Bは、プロの音楽制作現場から個人配信者まで、幅広い層に支持される理由があります。
環境音を自然にカットし、声だけをクリアに届ける設計。温かみがありながらも癖の少ない音質。そして何年も使い続けられる耐久性。これらが組み合わさることで、「マイク沼」と呼ばれる試行錯誤から抜け出すことができます。
初期投資は確かに大きいですが、複数のマイクを買い替え続けることを考えれば、最初から本格的な機材を揃えるのは賢明な選択です。
防音環境が整っていない自宅で、プロレベルの音質を実現したい。そんな願いを叶えてくれるマイクが、SM7Bなのです。
音質の悩みから解放され、コンテンツの内容に集中できる環境を手に入れる。その第一歩として、SM7Bを検討してみてはいかがでしょうか。








ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません